ちーがくんの地学Q&A広場

[Q&A広場#018]水の循環が発見されたのはいつ?誰が発見した?

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ちーがくん
ちーがくん
はかせ!今日はこんな質問をいただきました!
質問内容

質問No.18 質問者:教員 らー先生

水の循環はいつ、誰が発見したのでしょうか?

ちーがくん
ちーがくん
[#017]水の循環のエネルギーはどこから生じているの?では水の循環の原動力が太陽エネルギーであることを学びましたが、この水の循環がいつ、どうやって発見されたのか気になりますね!
はかせ
はかせ
よし、今日は水循環の概念がどのように発見され、体系化されてきたかについて説明するぞ。
水循環は16世紀から19世紀にかけて、何人かの研究者によって発見されてきたんじゃ。一人ずつ紹介していくぞ!

1. ベルナール・パリシー(Bernard Palissy)

はかせ
はかせ
まずは、16世紀のフランスの陶芸家で自然科学者でもあったベルナール・パリシーについて紹介するぞ。
ちーがくん
ちーがくん
陶芸家でありながら自然科学者!
マルチな方ですね!
はかせ
はかせ
そうじゃ。パリシーは、地下水が雨水から補給されることを観察と実験によって提唱した人物じゃ。
彼は泉や川の水がどこから来るのかを探求し、地表からの水が地中に浸透し、地下水となって泉や川に供給されるという理論を初めて発表したんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
地下水が雨水から補給されることって、今でこそ当たり前になっていますが、当時はそんな当たり前ではなかったはずですよね。
16世紀にそんなことを考えた人がいたなんて驚きです!
はかせ
はかせ
そうじゃ。このようにパリシーが、最初に地下水の供給源を明らかにしたんじゃよ。

2. ピエール・ペロー(Pierre Perrault)とエドム・マリオット(Edme Mariotte)

はかせ
はかせ
次に水循環の発見を語る上で欠かせない17世紀のフランスの学者ピエール・ペローとエドム・マリオットについて説明するぞ。
ちーがくん
ちーがくん
先ほどの16世紀から進んで、17世紀ですね!
はかせ
はかせ
そうじゃな。まず、ピエール・ペローは、セーヌ川の流量と降水量を比較することで、降水量が川の流れを支えるのに十分であることを証明したんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
確かにこの研究、大事ですよね!
川の流量を補うのに、雨の量が足りているのか?ってことを調べたんですね!
はかせ
はかせ
そうじゃ。彼の研究は1674年に「泉の起源に関する論文」で発表され、この中で水循環の理論を体系的に説明したんじゃ。
この発見は、当時の自然哲学者の間で広く受け入れられるようになったんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
川の水は雨が基になってるってことがこの頃には受け入れられるようになったんですね!
もう1人のエドム・マリオットさんは何をしたんですか?
はかせ
はかせ
エドム・マリオットはペローの研究を基に、より厳密な定量分析を行ったんじゃ。
彼の研究はペローの結論を裏付け、水循環の理解を深めることに貢献したんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
ペローさんとマリオットさんが水循環の理論をしっかりと証明したんですね。
今理解されている水循環は、この方々の研究が基礎になっているんですね!

3. ジョン・ドルトン(John Dalton)

はかせ
はかせ
そして19世紀に入ると、イギリスの化学者ジョン・ドルトンの登場じゃ。
ちーがくん
ちーがくん
ドルトンさんは何をされた方なのですか?
はかせ
はかせ
ドルトン蒸発の法則を提唱し、水循環のさらなる理解に寄与したんじゃ。
ドルトンは蒸発がどのようにして大気中に水を供給するかを定量的に説明し、蒸発速度が飽和水蒸気圧と実際の水蒸気圧の差に正比例することを示したんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
なるほど!ということは、空気が乾燥しているほど、蒸発速度が早いっていうことですね!
はかせ
はかせ
そういうことじゃ。これにより蒸発への理解が進み、水循環の理解がさらに深まったんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
ドルトンさんが蒸発のメカニズムを詳しく説明したんですね。これで水循環の全体像がよりはっきりしましたね!

まとめ

はかせ
はかせ
今回は、水循環がどのように発見されたのかということについて解説したぞ。
水循環の概念は、16世紀のベルナール・パリシーに始まり、17世紀のピエール・ペローとエドム・マリオットによって体系化、19世紀にはジョン・ドルトンが蒸発の法則を提唱し、水循環の科学的理解が進んだんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
水循環の歴史についてよくわかりました!多くの科学者さんたちの研究が積み重なって今の理解があるんだと再確認できました!
はかせ!今日はありがとうございました!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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参考文献

Nace, Raymond L. (1974). “Pierre Perrault: The man and his contribution to modern hydrology”. Journal of the American Water Resources Association. 10 (4): 633–647.

James C.I. Dodge. Concepts of the hydrological Cycle. Ancient and modern(PDF). International Symposium OH2 ‘Origins and History of Hydrology’, Dijon, May 9–11, 2001.

Brutsaert, Wilfried (2005). Hydrology: an introduction. Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-82479-8.

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地学系大学院生ブロガー/気象予報士
ちーがくん
地学教育を普及させるために文系コースから高3で理転した大学院生です。大学では地球科学を専攻し、現在は気象系の研究室に所属しています。地学教育の空洞化を食い止めるために、当ブログを運営しています。このブログを通じて、地学教育の実態や、地学の魅力をお伝えしていきます!
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