ちーがくんの地学Q&A広場

[Q&A広場#007]雨が地上に落ちてくるまでの時間はどのくらい?

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ちーがくん
ちーがくん
はかせ!今日はこんな質問をいただきました!
質問内容

質問No.7 質問者:主婦 みみ

雨が地上に落ちてくるまでの時間はどのくらいですか?

ちーがくん
ちーがくん
確かに言われてみればこれ、僕も気になります!
はかせ
はかせ
雨がどのくらいの高さから落ちているのか、落ちる速度がどのくらいなのかはあまり知られていないな。
雨が地上に落ちるまでの時間は、雨粒の大きさや高さ、そして空気抵抗などの要因によって決まるんじゃよ。
それを説明するためにまず「終端速度(しゅうたんそくど)」という言葉から説明するぞ。
ちーがくん
ちーがくん
終端速度?
なんですかそれ?
はかせ
はかせ
雨粒が地面に落ちている様子を考えてみてくれ。
雨粒が落ちはじめてすぐは、速度が大きくなり続けるが、次第に空気抵抗によって一定の速度に達するんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
確かに、ある程度で速度が一定になりそうですね!
はかせ
はかせ
このように一定になった速度「終端速度」と呼ぶんじゃよ。
終端速度は雨粒の大きさによって異なる。
大きな雨粒ほど終端速度が大きい、すなわち速く落ちてくるんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
なるほど!雨粒が落ちてくる速さは雨粒の大きさと関係があるのですね!
はかせ
はかせ
具体的に雨粒の終端速度の例を以下に示すぞ。
ー雨粒はどのくらいの速度で落下する?ー

雨粒の大きさと終端速度の関係

  • 小雨(半径0.2mm):終端速度は約1.6m/秒
  • 普通の雨(半径0.4mm):終端速度は約3.3m/秒
  • 大雨(半径1mm):終端速度は約6.5m/秒
  • 土砂降り(半径2.4mm):終端速度は約9.1m/秒
ちーがくん
ちーがくん
例えば土砂降りの時は、1秒間に9.1mも落下するんだ!
雨粒が落下しながら100mを走らせたら、10.99秒。
ウサイン・ボルトさんの100m9.58秒には勝てなくてもそこそこいい勝負はできそうですかね?
はかせ
はかせ
そうかもしれんな。実際に地上への到達時間は、雨粒がどの高さから落ちてくるかによって変わってくるんじゃ。
例えば、夏の雨雲は平均約5000mの高さから、冬の雨雲は約2000mの高さから落ちてくるといわれているぞ。
ちーがくん
ちーがくん
そっか!夏と冬とそもそものスタートライン(雨雲の高さ)も違うんだ!
はかせ
はかせ
具体的な落下時間の例を見てみよう。
ー雨粒の落下時間はどのくらい?ー
  • 夏の土砂降り(雨雲の高さ5000m、終端速度9.1m/秒の場合)
    • 落下時間 = 5000m ÷ 9.1m/秒 ≈ 549秒(約9分)
  • 冬の小雨(雨雲の高さ2000m、終端速度1.6m/秒の場合)
    • 落下時間 = 2000m ÷ 1.6m/秒 ≈ 1250秒(約21分)
ちーがくん
ちーがくん
なるほど!土砂降りの雨は10分くらいで、冬の小雨は20分くらいかかるんですね!
季節によってこんなに差があるとは!
はかせ
はかせ
実際には、風の影響や雨粒の蒸発などによって、雨粒が地上に到達するまでの時間は変動するんじゃ。
強い上昇気流がある場合、雨粒が落ちてこないこともあるし、落下中に蒸発することもあるんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
風や蒸発も影響して、実際にはこの計算のようにはいかない場合もあるんですね!
雨が落ちてくるまでの時間として雨粒の大きさと雨雲の高さ、そして空気抵抗の影響があること、夏の土砂降りは10分くらい、冬の小雨は20分くらいかかることがわかりました!
はかせ!今日はありがとうございました!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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地学系大学院生ブロガー/気象予報士
ちーがくん
地学教育を普及させるために文系コースから高3で理転した大学院生です。大学では地球科学を専攻し、現在は気象系の研究室に所属しています。地学教育の空洞化を食い止めるために、当ブログを運営しています。このブログを通じて、地学教育の実態や、地学の魅力をお伝えしていきます!
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