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ちーがくん
はかせ!エルニーニョ現象とラニーニャ現象について勉強してるんですけど、どうして暖冬になったり厳冬になったりするのか、いまいちよく分からなくて…
はかせ
確かに、仕組みを覚えずにただ知識を覚えるだけだと理解がしづらくて、すぐに忘れてしまうじゃろう。
よし、わしが図解でわかりやすく解説しよう。
よし、わしが図解でわかりやすく解説しよう。
ニュースなどでもよく耳にする用語、「エルニーニョ現象」と「ラニーニャ現象」
聞いたことはあるけど、さっぱりなんのことか分からない!という人も多いと思います。
今回はこれらの現象について、モルモットたちと一緒に学んでいきましょう!
▼この記事の動画版はこちら!▼
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よくある解説
はかせ
よくある解説はこんな感じじゃな。
はかせ
とはいえ、ニュースなどでの解説はこれで十分じゃな。例えば今年の冬は暖かいのか寒いのか、伝われば十分だからじゃ。
ちーがくん
そうですよね!この説明さえあれば、大半の人のニーズには応えてますよね!
はかせ
しかし、地学を勉強しているちーがくんや、現象発生の仕組みを理解したい人からすると、ここから考えると混乱する原因になってしまうんじゃ。
始まりは貿易風の弱まり/強まり
はかせ
日本は現象の影響を受ける側であって、現象のスタート地点ではない。だから日本周辺にのみ着目していても、仕組みを理解することはできない。
ちーがくん
そうなんですか!それって遠くで起こった影響が巡り巡って日本に影響を及ぼしてるってことですか?
はかせ
そうじゃな。
そこでまずは、スタート地点を変えて考えてみよう。これらの現象を説明する上での最初の舞台は、赤道付近のインドネシアからペルーにかけての沖合じゃ!
そこでまずは、スタート地点を変えて考えてみよう。これらの現象を説明する上での最初の舞台は、赤道付近のインドネシアからペルーにかけての沖合じゃ!
ちーがくん
上の図で印を付けたところですね!
はかせ
この場所では、貿易風と呼ばれる東風が年間通じて吹いている。通常はこんな感じの水温分布になっておるな。
ちーがくん
ペルー沿岸では冷水が湧き上がっていて水温が低く、貿易風によって暖水がインドネシアの方に吹き寄せられているんですね!
はかせ
そうじゃ。しかし、その貿易風の強さは常に一定ではなく、何らかの要因によって弱くなったり強くなったりする。
この貿易風の弱まりと強まりが、現象の始まりなんじゃ。ひとつずつ解説していくぞ。
この貿易風の弱まりと強まりが、現象の始まりなんじゃ。ひとつずつ解説していくぞ。
エルニーニョ現象
はかせ
まずはこの画像を見てほしい。
エルニーニョ現象では貿易風が弱まって暖水域が太平洋全体に広がり、ペルー沿岸の冷水の湧き上がりが弱くなる。その暖水域の広がりに伴って雲が東へ移動する。
エルニーニョ現象では貿易風が弱まって暖水域が太平洋全体に広がり、ペルー沿岸の冷水の湧き上がりが弱くなる。その暖水域の広がりに伴って雲が東へ移動する。
ちーがくん
なるほど!太平洋全体が暖かくなって、東西の海水面の水温差が小さくなっていますね!
ラニーニャ現象
はかせ
次にこの画像を見てほしい。
ちーがくん
ラニーニャ現象では逆に、貿易風が強くなって暖水域がインドネシアに寄っていますね!
はかせ
そうじゃな。その結果、インドネシア付近では普段より強い上昇気流が発生し、積乱雲が発達する。
ちーがくん
ペルー沿岸の冷水の湧き上がりが強くて、太平洋の広い範囲の水温が低下してます!
東西の海水面の水温差が大きくなっていますね!
東西の海水面の水温差が大きくなっていますね!
日本への影響
ちーがくん
はかせ!ここまでは分かったんですけど、日本への影響がいまいち見えてこなくて…。
この現象がどうして日本を暖冬にしたり、厳冬にしたりするんですか?
この現象がどうして日本を暖冬にしたり、厳冬にしたりするんですか?
はかせ
よし、解説しよう。
まずはエルニーニョ現象からじゃ。エルニーニョ現象では、インドネシア付近の海水温がいつもより低くなっておったな。その結果、海水面からの蒸発量が減少する。
まずはエルニーニョ現象からじゃ。エルニーニョ現象では、インドネシア付近の海水温がいつもより低くなっておったな。その結果、海水面からの蒸発量が減少する。
ちーがくん
海水面からの上昇気流が弱くなるっていうことですね!
はかせ
そうじゃ。ではこの上昇気流、どこにいくか分かるかな?
ちーがくん
…どこですかね?
はかせ
この上昇気流は大気の大循環によって、日本の南、北緯30°付近で下降するぞ。地学を勉強したことがあるちーがくんなら、ハドレー循環で聞いたことがあるはずじゃ!
ちーがくん
なるほど!
はかせ
先ほど、エルニーニョ現象では海水面からの上昇気流が弱まるという話をした。それにより、それに対応した日本の南の下降気流も弱くなるんじゃ。
では、下降気流が弱まるとどうなるか覚えておるかな?
では、下降気流が弱まるとどうなるか覚えておるかな?
ちーがくん
あっ!下降気流が弱くなると、高気圧も弱まりますね!
はかせ
そうじゃ。
「下降気流が弱まると高気圧が弱まる」というのは、「【イメージで忘れない!】高気圧 低気圧のイメージが湧かない人へ」でも勉強した通り、イメージで分かるな。
「下降気流が弱まると高気圧が弱まる」というのは、「【イメージで忘れない!】高気圧 低気圧のイメージが湧かない人へ」でも勉強した通り、イメージで分かるな。
ちーがくん
座布団のイメージで勉強しましたね!
はかせ
このイメージについて知りたい人は、ぜひこの記事を読んでみてくれ。
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そんな人も本記事で紹介している方法を用いれば、...
はかせ
日本付近の高気圧が弱まるということは、冬であれば西高東低の冬型気圧配置が、夏は太平洋高気圧が弱まるということになる。
ちーがくん
だからエルニーニョ現象の時は暖冬・冷夏になるんですね!
はかせ
そうなんじゃ。
ラニーニャ現象ではその反対のことが起こると思ってもらえばいい。
ラニーニャ現象ではその反対のことが起こると思ってもらえばいい。
ちーがくん
上昇気流が強まることでそれに対応する下降気流が強くなって高気圧が強まる、高気圧が強まると西高東低の気圧配置と太平洋高気圧が強くなって厳冬&猛暑、ですね!
はかせ
おみごとじゃ。ここまで説明できるようになっていたら、もう怖いものなしじゃ!
ちーがくん
ラニーニャ現象では厳冬だってことは、雪が多い年はラニーニャ現象が起こっていることが多いんですか?
はかせ
そうじゃ。
実際に、2022年の冬はラニーニャ現象が発生していて、雪がとても多い厳冬だったんじゃ。以下の記事でも解説しておるぞ。
実際に、2022年の冬はラニーニャ現象が発生していて、雪がとても多い厳冬だったんじゃ。以下の記事でも解説しておるぞ。
【2022年冬】今年はどうして雪が多いのか?
2022年の冬は、雪が多いなと感じた人が多いと思います。
なぜ雪が多かったか、ご存知ですか?
今回は、202...
まとめ
はかせ
それでは、もう一度それぞれの現象で起こることを以下にまとめておくぞ。
はかせ
テスト対策として覚えるのであれば、この図解を何も見ずに再現できるくらいにしておけるとよいな!
ちーがくん
わかりました!再現できるようになるまで練習します。
はかせ!今日はありがとうございました!
はかせ!今日はありがとうございました!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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