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ニュースの疑問

【図解でわかりやすく解説!】フェーン現象で気温が上がるメカニズム

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ちーがくん
ちーがくん
はかせ!天気に関するニュースでよく「フェーン現象」って耳にしますよね?
これって一体どんな現象なんですか?解説を聞いてもどうも分かりづらくて…
はかせ
はかせ
フェーン現象に関するニュースでは大枠でしか解説されないが、しっかり理解しようとするとなかなか難しいな。
よし、今回はフェーン現象について解説するぞ!

空気が山を越えた風下側のふもとに乾燥した高温をもたらす「フェーン現象」

名前は聞いたことがあるけど、いまいち理解できていない!という人も多いのではないでしょうか?

本記事を読めば、フェーン現象について図解で学ぶことができます。

今回はそんなフェーン現象の秘密について、モルモットたちと一緒に学んでいきましょう!

標高による気温変化の仕方は2種類ある!

はかせ
はかせ
まずはフェーン現象を理解する上で知っておく必要な知識から解説するぞ。
標高による気温変化の仕方には2種類あるんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
標高による気温変化の仕方には2種類ある!?
はかせ
はかせ
空気が乾燥しているか湿っているかによって、高度による気温変化の仕方が異なるんじゃよ。
空気中が乾燥していて、まだ水蒸気が含めるときには100mで1℃の気温変化、空気が湿っていてもう水蒸気が含めないときには100mで0.5℃の気温変化なんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
空気が乾燥しているか湿っているかの違いなのですね!
どうしてこのように気温変化の仕方が違うのですか?
はかせ
はかせ
空気が湿っていると、空気中にこれ以上水蒸気が含めないため高度が上昇するにつれて水蒸気が水滴に変化するな。その際に潜熱と呼ばれる熱が放出されるんじゃ。
水蒸気が水滴になると放出される熱により、高度の上昇による気温の低下の割合が低いんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
なるほど!水蒸気が水に変化する際の熱の放出が関係しているんですね!
天気の分野において潜熱の放出は切っても切り離せないものですよね!

2ステップでフェーン現象を攻略!

はかせ
はかせ
ここからフェーン現象の具体的な解説に入るんじゃが、フェーン現象を難しくしている要因として、乾湿の情報と気温の情報を同時に考えようとしているということがあるんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
確かに、フェーン現象は乾湿や気温などいろんな情報が出てくるので、混乱してしまうんですよね。
はかせ
はかせ
そうじゃな。そこでまずは第1ステップとして、一度気温の情報は置いておいて乾湿の情報のみに着目してフェーン現象を解説するぞ!

①乾湿のみに着目してフェーン現象を考える!

はかせ
はかせ
乾湿の情報からフェーン現象を考える上で覚えておいてほしいのが、山の上ほど低温で含みきれる水蒸気量が少ないということじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
気温が低下するほど含みきれる水蒸気量が少ないというのは、中学理科で習う「飽和水蒸気量」のところでやりましたね!
はかせ
はかせ
そうじゃな。フェーン現象にはこの水蒸気量が関係しているぞ。
山に空気がぶつかって上昇するところを考えてみよう。
はかせ
はかせ
山に空気がぶつかって標高が上がるほど気温は低下する。気温が低下すると含み切れる水蒸気量が少なくなるので、含みきれなくなった水蒸気が凝結して雲を作るんじゃ。
この雲が山頂まで雨を降らせたと考えてみよう。
ちーがくん
ちーがくん
山の5合目あたりでできた雲が山頂まで雨を降らせるんですよね。
ということは、雨が降った分だけ空気中の水蒸気量は減少するんじゃないですか?
はかせ
はかせ
その通りじゃ!これにより空気中の水蒸気量は減り、乾燥した空気になるんじゃ。
この乾燥した空気が山を越えて吹き降ろすんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
湿っていた空気が、山に雨を降らせることで乾燥した空気になって吹き降ろすんですね!
はかせ
はかせ
そうじゃな。ここまでが乾湿の情報のみに着目したフェーン現象じゃ。

②乾湿の情報に気温の情報を足して考える!

はかせ
はかせ
あとは先ほどまで理解した乾湿の情報に、気温の情報を足して考えるんじゃ!
はかせ
はかせ
空気が山にぶつかる前の空気の気温を20℃、山の標高を2000m、雲が発生した時の標高を1000mとする。
この時に気温がどのように変化するか、最初に紹介した乾湿による2種類の気温変化を使って考えてみよう。
ちーがくん
ちーがくん
空気中が乾燥していて、まだ水蒸気が含めるときには100mで1℃の気温変化、空気が湿っていてもう水蒸気が含めないときには100mで0.5℃の気温変化でしたね!
はかせ
はかせ
そうじゃな。標高0-1000mの間はまだ空気中に水蒸気が含めるな。
そのため1000mで10℃の気温低下で、標高1000mでは10℃になる。
ちーがくん
ちーがくん
ここから1000-2000mは空気中に水蒸気が含みきれなくなり、雲ができていくので100mにつき0.5℃の気温低下ですね!
1000mで5℃気温が下がるので、山頂では5℃になりますね!
はかせ
はかせ
いい調子じゃ。山頂までで雨を降らせているので、空気は乾燥しているな。
この乾燥空気が今度は下降していくぞ!
ちーがくん
ちーがくん
下降して標高が下がるので気温が上昇していくんですね!空気が下降していく時には含める水蒸気量が増えていくので、乾燥している時の温度変化である100mにつき1℃の温度上昇ですね!
ってことは2000mで20℃上がるから…最終的に気温は25℃になります!
はかせ
はかせ
よく計算できたな。
ここで着目してほしいのは、山を超える前と後の気温の変化じゃ。
ちーがくん
ちーがくん
空気が2000mの山を超えると5℃も気温の違いがある!
山を越えた後は気温の上昇だけでなく、空気も乾燥していますね!
はかせ
はかせ
そうなんじゃ。
山を越えることで空気が乾燥して高温になる、これこそがフェーン現象のメカニズムなんじゃ!

まとめ

はかせ
はかせ
今回は、フェーン現象のメカニズムについて解説したぞ。
局地的な高温現象などはこのフェーン現象が関連していることが多いな。ぜひ覚えておいてほしいぞ!
ちーがくん
ちーがくん
これまで理解が難しかったのは、いきなり乾湿と温度変化を同時に考えようとしていたからだったんですね!これからも分からなくなったら、2つを分けて考えてみます!
はかせ!今日はありがとうございました!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

地学系大学生ブロガー/気象予報士
ちーがくん
地学教育を普及させるために文系コースから高3で理転した大学生です。大学では地球科学を専攻し、現在は気象系の研究室に所属しています。地学教育の空洞化を食い止めるために、当ブログを運営しています。このブログを通じて、地学教育の実態や、地学の魅力をお伝えしていきます!
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