ちーがくんの地学Q&A広場

[Q&A広場#040]太陽が固体や液体ではなく、気体(プラズマ)な理由は?

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ちーがくん
ちーがくん
はかせ!今日はこんな質問をいただきました!
質問内容

質問No.40 質問者:会社員 タンザナイト

太陽が固体や液体ではなく、気体である理由はどうしてですか?

ちーがくん
ちーがくん
確かにこれすごく疑問です!
太陽は赤道と高緯度で自転速度が違う差動回転をしてるから気体という説明がよくされますけど、なんで固体でも液体でもないのか、納得いきません!
はかせ
はかせ
いい疑問じゃ!正確には太陽は正確には気体でもなく、プラズマという第四の状態になっているんじゃよ。
よし、今回は太陽がプラズマ状態である理由について、4つのポイントで説明するぞ。

①超高温環境

はかせ
はかせ
太陽がプラズマ状態である理由の1つ目は「超高温環境」じゃ。
ちーがくん
ちーがくん
太陽の中心部の温度は約1500万K(ケルビン)、表面でも約6000Kに達するんでしたよね?
【温度&核融合反応の仕組み】太陽はなぜ熱い?図解でわかりやすく解説!」でもやりました!
はかせ
はかせ
そうじゃな。このような高温環境では、物質は固体や液体の状態を維持できんのじゃよ。高温により、原子が電離して電子とイオンに分離し、プラズマ状態となるんじゃ。
プラズマは、物質の第4の状態で、固体、液体、気体とは異なり、電離したガスの一種なんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
確かにこれほど高温だと、固体や液体はおろか、ただの気体ですらいられなさそうですね!
だからそのさらに先の電子が離れたプラズマ状態になるんだ!

②圧力と密度

はかせ
はかせ
次に「圧力と密度」といった要因があるぞ。
太陽の中心部では非常に高い圧力が存在するんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
高温なだけじゃなくて、高圧でもあるんだ!
はかせ
はかせ
そうじゃ。
この圧力と高温が組み合わさることで原子は電子を失い、自由な電子とイオンが混在するプラズマ状態になるんじゃよ。
より詳しくいうと、高温・高圧環境では、原子が近づきすぎると強い反発力が働き、固体や液体の構造が崩れるため、
プラズマ状態が維持されるんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
高温・高圧環境下であることによって原子がバラバラになり、プラズマ状態になるんですね!

③核融合反応

はかせ
はかせ
さらに太陽の「核融合反応」も重要じゃ。
ちーがくん
ちーがくん
核融合反応!「【温度&核融合反応の仕組み】太陽はなぜ熱い?図解でわかりやすく解説!」でもやりました!
太陽のエネルギーは核融合反応から生まれているんですよね!
はかせ
はかせ
そうじゃな。
太陽の中心部で、水素原子核が融合してヘリウムを形成する過程で膨大なエネルギーが放出されるんじゃが、ここからも分かるように核融合反応には非常に高い温度と圧力が必要なんじゃ。
これが太陽をプラズマ状態に保つ大きな要因となっているといえるんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
核融合反応自体が、太陽がプラズマ状態だからこそ実現するものなんですね!

④組成と元素の特性

はかせ
はかせ
最後に、太陽の「組成と元素の特性」も重要なんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
太陽は主に水素とヘリウムで構成されているんでしたよね?
これも太陽がプラズマ状態となっていることと関係しているんですか?
はかせ
はかせ
そうなんじゃ。
これらの軽い元素は、比較的低温でも気体の状態を保ちやすい性質を持っているんじゃよ。
高温の太陽では、これらの元素が完全に電離してプラズマとなるんじゃ。
軽い元素が高温で存在すると、固体や液体よりもプラズマの状態が安定するんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
水素とヘリウムのような軽い元素だから、プラズマ状態が安定しているとも言えるんですね!

まとめ

はかせ
はかせ
今回は太陽がプラズマ状態である理由として4つ「超高温環境」「圧力と密度」「核融合反応」「組成と元素の特性」を紹介したぞ。
物質の第4の状態であるプラズマは、地学では他にオーロラの仕組みなどでも出てくるので、ぜひ覚えておいてくれ!
ちーがくん
ちーがくん
これら4つの要因が相まって、太陽は固体でも液体でも気体でもなくプラズマ状態になっていたんですね!
太陽光を感じる度に、太陽のプラズマ状態を思い出そうと思います!
はかせ!今日はありがとうございました!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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地学系大学院生ブロガー/気象予報士
ちーがくん
地学教育を普及させるために文系コースから高3で理転した大学院生です。大学では地球科学を専攻し、現在は気象系の研究室に所属しています。地学教育の空洞化を食い止めるために、当ブログを運営しています。このブログを通じて、地学教育の実態や、地学の魅力をお伝えしていきます!
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