ちーがくんの地学Q&A広場

[Q&A広場#041]気体(プラズマ)でできている太陽がなぜ球形で留まっていられるの?

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ちーがくん
ちーがくん
はかせ!今日はこんな質問をいただきました!
質問内容

質問No.41 質問者:会社員 タンザナイト

気体でできている太陽がなぜ球形で留まっていられるのですか?

ちーがくん
ちーがくん
前回の「[Q&A広場#040]太陽が固体や液体ではなく、気体(プラズマ)な理由は?」に続き、今回も深い謎ですね。プラズマ状態の太陽がどうして球の形に留まっていられるのか、謎ですね。
はかせ
はかせ
面白い観点じゃ!
太陽が球形を保っている理由は、主に重力と内部のガス圧力のバランスによるんじゃよ。
よし、今回はプラズマ状態の太陽がどうして球形で留まっていられるのかということについて詳しく説明するぞ!

重力とガス圧力のバランス

はかせ
はかせ
まずは「気体がどうして留まるのか」ということから説明するぞ。
それは「重力とガス圧力のバランス」ということなんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
重力とガス圧力のバランス?
どういうことですか?
はかせ
はかせ
太陽は非常に巨大なガスの塊で、その中心では核融合反応が起こっておる。
この反応により、膨大なエネルギーがガス圧力として外側に放出されるんじゃ。
核融合反応によって生じる熱が、内部のガスを膨張させる圧力を生み出すんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
ええっ!そんなことになったら、ガスは太陽から逃げていってしまうのではないですか?
はかせ
はかせ
この外向きのガス圧力に対抗するのが重力なんじゃよ。
太陽の重力は、その巨大な質量によって全ての物質を中心に向かって引っ張るんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
あっ!重力の大きさは質量に比例するって物理基礎の授業でやった気がします!
はかせ
はかせ
そうじゃ。
太陽の質量はわしらの住む地球の約33.3万倍だと言われているんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
太陽の質量は地球の約33.3万倍!?
その分だけの重力が加わるってことですね!
はかせ
はかせ
その通りじゃ!
太陽の質量が大きいため、強力な重力が働き、全てのガスを中心に引き寄せるんじゃ。
これにより太陽は気体を保っていられるんじゃよ。

どうして球形になるの?

ちーがくん
ちーがくん
太陽が気体を保っていられる理由は分かりましたけど、どうしてそれが球形になるのですか?
はかせ
はかせ
それには太陽がプラズマ状態であることと、重力の加わり方が関係しているんじゃ。
太陽は主に水素とヘリウムからなるプラズマで構成されているんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
太陽が水素やヘリウムからなることは「【大気成分の割合&起源を解説!】太陽大気の正体は?」でもやりましたね!
これと太陽が球形になることと、関係しているのですか?
はかせ
はかせ
気体やプラズマは流動性が高く、形を変えやすい特性があるんじゃが、重力が中心に向かって均等に働くため、全体として球形にまとまるんじゃよ。
球形はエネルギーが最も低く、安定した形状であり、自然界では大きな物体が重力の影響で球形になることが一般的なんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
なるほど!確かに重力が周りから惑星の中心に均等にかかることを考えたら、プラズマ状態の太陽も重力の影響で球形になるのも納得がいきます!

自転の影響はないの?

ちーがくん
ちーがくん
でも、太陽も自転している中で、自転によって気体がどっかに行っちゃうとか、球形じゃなくなっちゃうとかはないんですか?
はかせ
はかせ
鋭い視点じゃ。
確かに太陽は自転しており、この自転が太陽の球形をわずかに変形させるんじゃよ。
自転による遠心力が赤道付近で強く働き、赤道部分がやや膨らむことで、太陽は完全な球体ではなく「扁平回転楕円体」に近い形になるんじゃ。
ちーがくん
ちーがくん
自転の影響で赤道方向に潰れてるのは地球と同じですね!「【地球が楕円体の理由はなぜ?】地球はレモンか?オレンジか?をわかりやすく解説!」でもやりました!
太陽も地球同様、わずかにオレンジの形をしているんですね!
はかせ
はかせ
そうじゃな。
とはいえこの変形は非常に小さく、観測上はほとんど無視できるレベルなんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
ということは、自転の影響はないとは言い切れないけど、ほぼ完璧な球形をしていっても差し支えない程度の変形しかないということなんですね!

まとめ

はかせ
はかせ
今回は、プラズマ状態の太陽がどうして球形で留まっていられるのかということについて解説したぞ。
太陽が球形を保っているのは、重力と内部のガス圧力のバランスによるもので、重力が物質を中心に引き寄せ、ガス圧が外側に押し出す力が釣り合うことで、太陽は安定した球形を維持しているんじゃよ。
ちーがくん
ちーがくん
自転によるわずかな変形はあるものの、全体としては球形に近い形を保つことができるんですよね!
太陽の球形を当たり前と捉えるのではなく疑うことで、今日もまた1つわかることが増えました!
丸い太陽の見え方がこれから変わるような気がします!
はかせ!今日はありがとうございました!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

記事

参考文献

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地学系大学院生ブロガー/気象予報士
ちーがくん
地学教育を普及させるために文系コースから高3で理転した大学院生です。大学では地球科学を専攻し、現在は気象系の研究室に所属しています。地学教育の空洞化を食い止めるために、当ブログを運営しています。このブログを通じて、地学教育の実態や、地学の魅力をお伝えしていきます!
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